「総合的な学習の時間」には教科書はありますか。
「総合的な学習の時間」は教科ではありませんから、教科書はありません。
先生方は忙しいので、教科書がほしいという気持ちはよくわかります。しかし、「総合的な学習の時間」は、従来のように教師が子どもたちに向かって知識を教え込む学習ではありません。教師が子どもたちといっしょに考えてある課題を解決していくような時間です。
学習内容は、その地域のことや、今日的な課題や、児童生徒の興味関心や学校の実態などに応じて、各学校で決めますから、教科書を作成することはできません。教師が子どもたちのために、さまざまな課題を考え、子どもたちの状況に応じて柔軟に対応していくことが大切です。しかし、教師がひとりでこのようなカリキュラムを作成することは困難です。教師グループやカリキュラム開発の研究者、教育委員会が協力して、汎用的なカリキュラムを開発し、インターネットなどで教材を提供する動きもあります。
コンピュータを使って授業をすれば、「情報教育」の授業になりますか。

「情報教育」=「コンピュータを使う」「コンピュータの使い方を学ぶ」と考えてしまうことがありますが、それは違います。
「情報教育」の目標は、自らの問題解決のために情報を活用することと、そのために情報手段を適切に活用できる力を育成することです。したがって、コンピュータを使っていても、そのような能力が身につかなければ、「情報教育」にはなっていないのです。 逆に、コンピュータを活用する場面で、どのように情報を編集すれば相手に伝わりやすいか、どんな方法で調べればうまくいくかなどの学習課題を児童生徒に意識させることができれば、それは「情報教育」であると言えます。

「コンピュータを使う」ことはあくまでも手段です。手段が、そのまま目標であるというのは、大きな誤解です。
特に学年の低い段階では、コンピュータを使うことより、情報を手作業で収集したり、まとめたり、表現したりといった活動の経験が必要になります。そのような経験を十分しているからこそ、コンピュータの便利さや弱点にも気づき、まさに情報や情報手段を活用できる能力が身につくようになります。子ども達に早くからコンピュータに触れさせると思いのほか簡単に操作できるようになるでしょう。しかし、情報教育ねらいにとって障害になる場合もあります。しかし、だからといって、いつまでも「コンピュータを使う必要がない」といっているのではありません。教育である限り、適切な段階で計画的な出会いが必要なのです。 情報化社会において,問題解決を行うときに、コンピュータやインターネットの活用は不可欠です。どの段階で道具としてのコンピュータを利用させるか、情報手段の利便さを際立たせるような学習活動を教師が仕組むことが大切です。

教師がコンピュータを持っていないので「情報教育」ができないと言われるのですが…
「情報教育」は、コンピュータを使うことを目的とした教育ではありませんし、コンピュータの使い方の教育でもありません。したがって、教師がコンピュータを持っていなくても、十分に「情報教育」を行うことはできるはずです。
しかし、教師がコンピュータを日頃から利用し、仕事上で情報を集めたり発信したりし、それらの試行錯誤を重ねておくことは、教師自身に「情報活用の実践力」が身につくことに役立ちます。最近は、インターネットでさまざまな教育情報が簡単に入手できますし、教育上のなやみや問題を他の人たちと話し合いながら解決していく機会も多くなりました。自分の体験が、その後、児童生徒に「情報教育」を行う際にたいへん参考になるはずです。
コンピュータはもはや、計算する機械ではなく、電話やテレビと同じようなコミュニケーションの道具ということができます。できるだけ早く、自分専用のコンピュータを手に入れることを勧めます。
ホームページで情報を集める活動を授業に取り入れる場合、どのような点に留意すればよいですか。

「情報教育」の視点から見れば、ホームページで情報を集めるという活動だけではなく、そこでどのような思考が起こっているかを考えることがポイントになります。単にホームページを眺めることや、ホームページから転記するだけでは、操作演習にすぎないからです。

例えば、1)情報を集める活動の前に、何のために情報を集めるのかという課題意識を持たせることが大切です。今日は何を調べたいのかを明確にさせてから、活動に取り組ませることです。
次に、2)そのためにどのような方法をとるのかを考えさせます。この場合、ホームページから情報を集めるという方法ではない方が望ましい選択という場合もあります。
また、3)集まった情報を、自分の目的意識に照らしあわせて、内容を吟味させる必要があります。つまり情報収集の後、学習活動の中で学習者が振り返りを行えるように時間をとります。
もちろん、学習課題を明確にできない段階で漠然とホームページを見る活動から徐々に問題意識が芽生えてくることはあり得ます。そういう場合は、子どもの意識がどう高まっていくかをそばで教師がきちんと見据えてあげることが大切です。

学校間交流をしたいと思うのですが、どんな方法で相手先を探したらいいでしょうか?
学校間交流のニーズの高まりによって、このような問い合わせに対応するためのさまざまなホームページが作られています。これらを利用すれば、交流相手は見つかりますが、その前に考えておくべきことがあります。
まず、なぜ学校間交流を行うのか、その教育的な目的をはっきりさせておくことです。学校間交流は、相手に情報を伝えるという活動が頻繁に起こる学習活動ですから、情報活用の実践力を育成するためにとても望ましい活動です。したがって、どんな相手と、どんな情報をどのように交換するような活動を仕組むのか、そのイメージを教師自身が持つことが大切です。
交流相手を見つけるホームページとしては、こねっとプラン、AT&Tバーチャルクラスルームなどが有名です。
「情報教育」や「総合的な学習の時間」での評価はどのようにすればよいのですか。
新しい学習指導要領の編成の指針となった教育課程審議会の答申には、「総合的な学習の時間の評価」に関して次のような記述があります。
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この時間の趣旨、ねらい等の特質がいかされるよう、教科のように試験の成績によって数値的に評価することはせず、活動や学習の過程、報告書や作品、発表や討論などに見られる学習の状況や成果 などについて、児童生徒のよい点、学習に対する意欲や態度、進歩の状況などを踏まえて適切に評価すること。
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「総合的な学習の時間」における評価は、テストの成績によって数値的に評価することは適切ではありません。むしろ、ワークシート、ノート、作文、絵、レポートなどの製作物、発表や話し合いの様子などから評価したり、児童の自己評価や相互評価を活用したり、活動の状況を教師が観察して評価したりするなどして、その児童生徒なりのよい点、学習に対する意欲や態度、進歩の状況などを適切かつ総合的に評価することが大切です。
ここでの評価の目的は、長期的なねらいに対して、個々の子ども達が今どの状況にあるのかを、本人や保護者に示すことです。したがって、数値や54321ではなく、チェックリストに対して、それぞれがどの程度満足しているかを示すような工夫が必要です。
情報教育については、そのねらいを具体的な学習目標のレベルにして、評価の観点をインターネットで提供する研究開発も進められています。