「総合的な学習の時間」では、何をすればいいのですか。
新しい学習指導要領の総則には、つぎのような形で「総合的な学習の時間」の学習活動が述べられています。
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各学校においては、2に示すねらいを踏まえ、例えば国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題、児童(中学校では生徒)の興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて、学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。
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このことからわかるように、「総合的な学習の時間」の学習活動は、基本的には学校の実態に応じて、学校が決定していくことになります。ただし、「総合的な学習の時間」のねらいをきちんと踏まえることは忘れてはいけないことがわかります。また、わざわざ「国際理解・外国語、情報、環境、福祉・健康など」と例示されていることの意味にも気を配る必要があるでしょう。
グローバルな視点と異文化への理解、外国語によるコミュニケーション能力、情報活用能力、自然や環境への配慮、社会への積極的な参加など、21世紀を生き抜く問題解決の総合的な実践力を、小中高を通 じて育成しようとしているわけです。
中学校の「必修教科」「選択教科」「総合的な学習の時間」の違いを教えて下さい。
中学校の学習指導要領の総則を見ると、「必修教科」「選択教科」「総合的な学習の時間」の3つに大きくわかれていることに気づきます。「必修教科」は、各教科の目標の下にあって、基礎・基本を通 して、教科固有の知の形成を図る学習活動です。 すべての生徒に対して、共通 の基礎的・基本的な内容を確実に定着させることが大切です。
「選択教科」は、「必修教科」と同じようにあくまで教科の目標の下にあります。ただし、生徒の興味関心や個性に応じて、教科内容の発展的な能力形成を図ったり、補習的な学習活動を行ったりします。したがって、その教科を選択した生徒に対して、個別 的な基礎・基本を提供すると考えることができます。 「総合的な学習の時間」は教科ではありません。これは時間枠です。各教科等で身につけた知識や技能を、相互に関連させたり、総合的に働かせたりして、今日の大きなテーマに向かって進んでいく学習を行う時間です。そこでは、学び方や探求の仕方などの基礎的な訓練も行われます。つまり、教科から離れた、学び方の基礎・基本を養う時間であると考えればよいでしょう。
中学校では、「選択教科」の授業時間を多く確保すると「総合的な学習の時間」が減るという関係になっています。これは学校裁量 で決定しますから、各学校が生徒にどのような能力を中心的に育成したいかというコンセプトが反映されることになります。
小学校や中学校での「総合的な学習の時間」は誰が担当するのですか。
小学校はもちろんのこと、中学校でも、すべての教員が担当することになるでしょう。
「総合的な学習」という専門の教員免許はありませんから、道徳や特別活動と同じように、すべての教員が担当する時間です。特定の教員が担当するのではなく、校長、教頭はもとより、養護教諭等のすべての職員、外部人材などを含め、全教職員および地域が一体となって指導するなど学校全体としての取り組み方が大切になります。
「情報教育」とは、どんな教育ですか。

「情報教育」とは、子ども達に情報活用の能力を育成する教育のことをさします。
平成14年からの新しい学習指導要領では、小中高に一貫したカリキュラムが用意されます。情報活用の能力は「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度(含む情報モラル)」の3つの内容に分かれています。このうち、「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」は、中学校・技術家庭科の「情報とコンピュータ」や、高校に新設される必修教科「情報」など専門の教科で育成されることになります。しかし、通 常の授業で主に意識すべきものは、情報活用の実践力や情報モラルの育成です。 情報活用の実践力は、児童生徒が、自分にとってどのような情報が必要かを自分で判断し、主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえながら発信・伝達できる能力のことです。また、児童生徒の課題や目的に応じて情報手段(コンピュータやインターネットなど)を適切に活用することができるようになることも期待されています。「総合的な学習の時間」では、さまざま学習活動を通 して、これらを育成することが期待されています。

いつ頃から「情報教育」を始めればいいでしょうか?
新しい教育課程では、小学校段階では、「総合的な学習の時間」や各教科でコンピュータ、インターネット等を活用し、中学校では更にこれに加えて技術・家庭科の領域に「情報とコンピュータ」を必修とするということとなりました。高等学校では、多くの生徒が進学する普通 科に教科「情報」を新設し、そのほかにも「総合的な学習の時間」や各教科等でコンピュータ、インターネット等を活用するとされています。
このように情報教育は小学校から全ての教育活動で行われるものですから、特にいつからというものではありません。しかし、上記のことを頭に入れて、各学校段階で必要なことを見据えて実施することが大切でしょう。文部科学省では2001年までに全学校にインターネットを接続しようとしているだけでなく、2005年までには、全教室に2台づつ、インターネットに接続されたコンピュータを導入しようとしています。学校の環境もいまとはだいぶ異なることになりそうです。
「情報教育」は、学校のどの教科でやったらいいのですか。
情報教育の目標のうち「情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」や「社会生活の中で情報や情報技術が果 たしている役割や及ぼしている影響の理解」は、主として知識・理解を中心とする内容ですので、中学や高校の専門科目の内容になるでしょう。しかし、「必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力(情報活用の実践力)」や「情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」は、小学校の段階から育成していかなければなりません。特に、いわゆる情報モラルに相当する基本的な考え方は、9歳までに身につくというデータもあり、小学校レベルでの良い実践がもとめられます。
具体的な実践では、理科や社会科における「調べ学習」のように,情報を収集・整理・表現・発表したりする学習活動のそれぞれの場面 で、学習課題を設定することによって、情報教育のねらいを達成させることもできます。しかし、教科の中での展開は、どうしても学習内容の理解の徹底に多くの時間が割かれて、情報教育の展開が十分果 たせないという予想もあります。そこで、平成14年からの学習指導要領では、教科の枠を超えた新しい枠組みの「総合的な学習の時間」が設定されたわけです。この時間は、単なる新しい教科ではなく、画期的な考え方が折り込まれています。「総合的な学習の時間」の設置のねらいは、『各学校の創意工夫を生かした横断的・総合的な学習や児童生徒の興味・関心等に基づく学習などを通 じて、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること』や『情報の集め方、調べ方、まとめ方、報告や発表・討論の仕方などの学び方やものの考え方を身につけること、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成すること、自己の生き方についての自覚を深めること』と記述されており、情報教育のねらいを具体的に反映している時間枠であることがわかるでしょう。
「総合的な学習の時間」は、小学校3・4年で年間105時間、5・6年で110時間設定され、情報教育の枠組みを軸としてカリキュラムを構成することが期待されているのです。また、中学校・高等学校においても年間70時間程度が確保されています。「総合的な学習の時間」は、『問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育成する』時間であり、まさに情報活用の実践力やネットワークの活用能力を身につけることを求めている時間といえます。
本校ではまだネットワークの整備が行き届いていません。いつ頃から「情報教育」を始めることができそうですか。
新しい教育課程では、小学校段階では、「総合的な学習の時間」や各教科でコンピュータ、インターネット等を活用し、中学校では更にこれに加えて技術・家庭科の領域に「情報とコンピュータ」を必修とするということとなりました。高等学校では、普通 科に教科「情報」を新設し、そのほかにも「総合的な学習の時間」や各教科等でコンピュータ、インターネット等を活用するとされています。このように今回の教育課程の改訂では、インターネットは、学習内容としても必修の内容になってきているので、これまでのように、予算の余裕のあるところだけというわけにはいきません。
文部科学省では2001年までに全学校にインターネットを接続しようとしているだけでなく、2005年までには、全教室に2台づつ、インターネットに接続されたコンピュータを導入しようとしています。これは具体的な政策として予算化されつつあります。ネットワークの接続費用や回線スピードも、2005年ごろには、驚くほどの状況になっているでしょうし、無線LANやノートパソコンの普及も著しいでしょう。このように、インフラ整備は学校だけの問題ではなく、国や地方行政のレベルで考えられているのです。
インフラはすぐに整ってきます。しかし、最新のインフラをまたなくても、情報教育のねらいの実践力・知識・態度の育成は、さまざまなほうほうではじめることができます。「〇〇がないから、情報教育ができない」といわず、ねらいの本質をとらえて、やれそうなところから、はじめるように努力してください。