「総合的な学習の時間」や「情報教育」のためには、どのような学習環境の整備が必要ですか。
最大のポイントは、児童生徒がいつでも情報にアクセスするような情報手段が用意されていることです。児童生徒が主体的に調べることが多く行われますから、そのための学習環境には細かい注意を払わなければなりません。まず、学校図書館の整備が大切です。図書に限らず、新聞や雑誌、ビデオ、CD-ROM、インターネットなど、さまざまな学習の情報源を用意することです。そして、それらが開放され、いつでも利用できるようにすることです。
次に、コンピュータですが、できれば集中的に利用できるような部屋のほかに、校内のいくつかのエリアに数台ずつ置かれているような状態が望ましいでしょう。教室で学習を進めていく場合に、すぐそこで利用できるということは大切です。
コンピュータが分散的に配置されれば、当然、校内LANが必要になります。できるだけ多くのコンピュータからインターネットに接続ができることが望ましいです。 しかし、これらの学習環境の整備には、時間とお金がかかります。優れた学習環境がない学校でも、優れた「情報教育」が行われている例はいくつもあります。要は、子どもたちの周りの情報環境を教師がよく知り、その上でできる範囲で工夫をすることです。
本校ではまだネットワークの整備が行き届いていません。いつ頃から「情報教育」を始めることができそうですか。

新しい教育課程では、小学校段階では、「総合的な学習の時間」や各教科でコンピュータ、インターネット等を活用し、中学校では更にこれに加えて技術・家庭科の領域に「情報とコンピュータ」を必修とするということとなりました。高等学校では、普通 科に教科「情報」を新設し、そのほかにも「総合的な学習の時間」や各教科等でコンピュータ、インターネット等を活用するとされています。このように今回の教育課程の改訂では、インターネットは、学習内容としても必修の内容になってきているので、これまでのように、予算の余裕のあるところだけというわけにはいきません。
文部科学省では2001年までに全学校にインターネットを接続しようとしているだけでなく、2005年までには、全教室に2台づつ、インターネットに接続されたコンピュータを導入しようとしています。これは具体的な政策として予算化されつつあります。ネットワークの接続費用や回線スピードも、2005年ごろには、驚くほどの状況になっているでしょうし、無線LANやノートパソコンの普及も著しいでしょう。このように、インフラ整備は学校だけの問題ではなく、国や地方行政のレベルで考えられているのです。
インフラはすぐに整ってきます。しかし、最新のインフラをまたなくても、情報教育のねらいの実践力・知識・態度の育成は、さまざまなほうほうではじめることができます。「〇〇がないから、情報教育ができない」といわず、ねらいの本質をとらえて、やれそうなところから、はじめるように努力してください。